陸前高田へ





















大船渡でのイベントが終了し陸前高田へと向かった。
車を走らせていると突然荒野のような光景となった。
車を止めた場所は道の駅高田松原があった場所。
そこは海水浴場や海浜公園、野球場などが広がった場所であったらしい。
しかし今はその面影は全く無い。
その海浜公園は地盤沈下により海水面下へと沈んでしまっている。
そこは茶色く不気味に淀む海。
少し沖に行くとキレイな海が広がって空の青さと相まってとても美しい。
後ろを振り向けば氷上山(ひかみやま)と雷神山がこれまた美しい姿を見せてくれる。
だがそれら以外は非現実的な現実ばかりである。
震災発生から2ヶ月近く経っているが
いくつも大きなガレキの山が出来ていた。
海に近いところにガレキの山を作っているのは
これから船に積込んで、どこか処分する場所にでも運び出すのだろうか?
道の駅は海に面する側から建物上部に上れるようになっていた。
あたかもカップルが海を見ながら語らう、そんな感じの場所だ。
中央の階段を上へ上へと上っていくとちょうど中頃に牡蠣の網が引っ掛かっていた。
ここまで水が来たようだ。
きっとこの上へと逃れた方もいたと思われるが
せまり来る水の恐怖たるや想像を絶する。
上へと上りきると素晴らしい景色が眼科に広がる。何とも無常だ。
下へ降り建物内部へと入ってみた。
こうもメチャクチャになるかと言う位に破壊されていた。
1階には海に面して大きな窓があったが
そこから入り込んだ海水のパワーにより
建物中央にある鉄筋コンクリートの壁が波動砲を受けたかのように
ボコォ!と凹んでいた。
きっと窓により狭められた海水がより一層集中的なパワーで鉄筋コンクリートの壁に
ぶつかって来たのだろうと推測される。何とも恐ろしいパワーだ。
建物から出た瞬間異臭が漂っていた。
海に向かって、そして山に向かって合掌してその地を後にした。